世界史の勉強をしたい社会人へ。独学の方法やおすすめ本

教養

社会人なら教養はあったほうが良いですよね

有名な経営者には、歴史好きの人が多いです

出口治明さんは歴史本まで出してるよね
※ライフネット生命創業者

でも、、、

・なにから勉強すればよいの?
・仕事への生かし方が分からない

など色々分からないことが多い歴史の勉強。

特に世界史は、日本史よりも扱う地域が広いので漠然としがちです。

 

「大人の世界史の勉強法」が何なのかいまひとつ分からず、学生のころと同じような勉強からはじめました。

でも、社会人は勉強だけに時間を使えるわけではありません。記憶力も落ちてます。

 

別に歴史を知らなくても仕事は何とかなるし、、、とあきらめようとも思いました。

しかし、今は良くても、管理職や起業して経営者になるかもしれない。

お世話になってる先輩や社長さんからも「歴史は勉強しておいたほうが良い」とよく言われ、折れかけた心をキープ。

 

確信はありませんでしたが、社会人に必用な世界史の勉強法が分かってきました。
それは

  1. 通史は、分かりやすい講義系の参考書で学ぶ
  2. 「抽象⇔具体」で世界史の知識を、仕事や生き方にあてはめる
  3. 読書は、ビジネス書と古典の中間あたりから攻める

↑これら3つのポイントが見えたからです。

教養として世界史を学んだおかげで、物事を考える視点が広がりました。

 

「この課題には、歴史で勉強した◯◯があてはまりそうだ。」
という感じで、社会で戦うための武器をゲット

偉人から、成功事例だけでなく挫折、絶望から這い上がるためのヒントや勇気をもらいました

お客様に提案できる内容が、以前よりも早く&深くなったと、褒められるようになりました。
評価が上がるにつれて、私の年収もアップ!

 

世界史の勉強をしたい社会人が、どのように進めればよいかをまとめました。
理系出身で学生のころに世界史を履修してない人にも、役立つ内容にしてます。

この記事を最後までよめば、歴史を仕事や生活に役立てられるようになります。

お知らせ(2024年6月7日追記)

Udemy講師になりました。

大人(社会人)が世界史を
仕事や日常生活で活かすための方法と
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結論

  • 世界史の知識を抽象化すると、自分の生活や仕事に役立つ
  • 通史を学習後、興味のある分野の書籍や映画などで勉強
  • 準備段階では、高校世界史(通史)をマスターする

社会人の世界史の勉強=抽象化

社会人に身につけるべき「世界史の教養」とは、大学受験の知識ではありません。

過去の出来事を抽象化して自分にあてはめ、行動するための羅針盤にしましょう!

 

”抽象化”が良くわからないな

「抽象的」⇔「具体的」

過去の出来事、「いつ、どこで、誰が、どうした」は具体的な内容です。ただ、それ自体は今にいかせません。(全く同じことは起きないから)

具体的な内容から、広く使えるエッセンスだけにするのが抽象化です。

 

「歴史」は古い過去の話、「世界の出来事」なんてスケールが大きすぎて自分には関係ない。
でも雑学程度の教養は社会人として持ちたい。

こういう理由で世界史を勉強するのも悪くはないですが、仕事や生き方に役立ったほうが嬉しいですよね?
そんな使い方があるんです。

 

いま目の前でおきてる現象は、過去の出来事の延長上にあります。
AIが発達して、「人間がやるべき仕事とはなにか?」と概念が変わろうとしてます。

 

これは、約300年前にイギリスで始まった産業革命でも同じ。

職人が手作業でやっていた仕事を、機械が奪いました。(動かすのは人間だけど、職人でなくてもよい)

今わたしたちが置かれてる環境、抱いてる将来への不安とソックリです。

 

歴史はくり返す。ただし全く同じではなく螺旋状に進む

科学技術は、過去よりも今のほうが優れてますが、人のメンタルはそう変わりません。

時代が違っても人間の行動はそう変わっていない。
だからこそ「歴史は繰り返す」という言葉があるわけですね。

 

学生時代の勉強は、テストのために用語を1個でも多く暗記すること。

しかし、社会人に必要なのは丸暗記ではなく、過去の出来事を広い視野でみる、つまり俯瞰(ふかん)して自分に役立てることです。

 

・歴史のパターンから未来を予測する

・出来事を抽象化して今に生かす

↑この2つが社会人が世界史を学ぶメリットです。

 

世界史の教科書にのってる出来事が、そのまま未来には起きません。

しかし、同じパターン、周期をくり返しつつ、技術の発達により螺旋状(らせんじょう)に進化します。

 

法則(周期)をみつけることができれば、先手をうって対策できるということです。

もちろん未来だけでなく、今目の前で起きてる問題にも有効です。

ただ、いきなり「歴史の周期(法則)」は見つけられません。

ここでは、社会人が挫折せずに世界史を勉強できる方法をご紹介します。

社会人には教科書より資料集がオススメ!

世界史を今にいかすには、基礎知識が必要です。

いきなり専門書から入ると、多くの人が挫折します。
たし算、ひき算、かけ算、わり算を知らずに因数分解にチャレンジするようなもの。

原理原則を理解するには、出来事の背景を知る必要があります。

 

世界史の基礎とは、教科書レベルの知識を指します。
まずは一通り確認して、いつでも調べられる状態にしておきましょう。

 

学生時代の記憶が残ってる人は、資料集学習を飛ばして、オススメ本にいってもokです。

世界史の資料集をながめる

帝国書院の世界史資料集タペストリーの表紙

最初で挫折しないコツは、教科書や参考書をつかわないこと。

文章だけでなく地図や年表、写真や絵がのってやつで、高校生のころに使った人が多いと思います。

これを空き時間に眺めるのです。

・資料集の中身

世界史の資料集の中身

 

世界史の資料集の中身(美術)

※中身を公開すると著作権の侵害になるので、画像を加工してます。雰囲気が伝われば幸いです。

資料集でなく事典でもかまいません。これらに共通するのは、読み切りだということ。

成毛眞さんが『教養は「事典」で磨け』という本をだしてたな。
※元マイクロソフト社長

資料集や事典なら、短い部分は1分で読み終わります。教科書や物語、解説書と違って、ひとつひとつが完結型の説明になってます。

しかも、文字だけでなく表やグラフ、画像が掲載されてます。右脳と左脳の両方を使ったほうが勉強の成果は上がることが分かってます。使わない手はありません。

 

最初のページから順番にみる必要はありません。資料集をパラパラめくっても、興味のある時代を選んでもokです。

例えば漫画の『キングダム』が好きなら、中国の春秋戦国時代のページをながめるのです。

読まなくても良いのでながめてください。

 

資料集や事典は、知らないことに気づかせてくれるツールです。

ネットは検索窓にキーワードを入力しないと始まりません。◯◯がよく分からない、、、という疑問が自分にないといけない。

つまり、知らなくて調べたいことだとしても、何かしら知らないと検索できないということです。

資料集や事典は、違います。知らないものでも、ペラペラめくれば知らないことが浮き出てきます。

 

・資料集はどこで買える?

Amazonでも書店でも売ってます。山川出版の資料集であれば、どの書店でも入手しやすいと思います。

わたしは、帝国書院の資料集(画像で紹介したタペストリー)が好みなので愛用してます。

カラーで税込み990円は驚きです。

リビングとトイレに1冊ずつ設置して、毎日チラチラ読んでます。チリツモ効果は絶大です。

 

慣れてきたら講義系の参考書に挑戦

ナビゲーター世界史B(第一巻)の本体とサブノート

左:テキスト本体、右:サブノート

おすすめの参考書は「ナビゲーター世界史B(全4冊)です。

1単元分を読んだら、付属のサブノート使って穴埋め学習をします。

たとえば第1巻なら、「1先史の世界」から「13中世ヨーロッパ(6)」まで合計13の単元で構成されています。

1日1単元を目標にして進めれば2週間で1周できます。

ポイントは、毎日新しい単元だけを読むのではなく、必ず前日の単元を読んでから新しい単元に入ること。

こうすることで、2週間にでテキスト2周できます。

2日連続で同じ単元を読むことで、1回目では理解しきれない部分が分かるようになります。

加えて単元同士に繋がりがある場合、理解しやすくなります。

テキストを読むのは、暗記ではなく理解するためなので、無理に覚えようとしてなくて良いのですが、毎回復習をはさむので用語の接触頻度が高まり記憶に残りやすくなります。

ちなみに、講義系の参考書は『ナビゲーター世界史B』以外にもあります。

ただサブノートがついてくるのは、ナビゲーターと『世界史B講義の実況中継』だけ。

サブノート型の参考書もありますが、テキストに準拠したサブノートが一番使いやすいです。

よって『ナビゲーター世界史B』が合わない人は『世界史B講義の実況中継』を検討しててください。

こちらも全4巻です。

歴史用語や年号の暗記は必要?

学生のようにテストはありませんが、大人でも暗記は必要です。

なぜなら、脳内にある情報が思考の源になるからです。

今は、ネットを使えば何でも調べられます。

世界史用語や年号も例外ではありません。

ただ、「調べられる」だけの話であり、調べるもとになる疑問やアイデアを作るのは自分自身です。

もっといえば、外部からの情報と脳内にある情報が掛け合わさって疑問やアイデアが生まれます。

よって脳内に情報が蓄積されていないと、いくら外部から情報があってスルーして終わりになります。

だから大人でも「暗記」は必要なのです。

世界史の暗記に才能はいりません。

一問一答形式の問題集を何度も繰り返しやるだけ。

コツは、1問につき1秒で終わらせる。

知らないものにはバツをつけて答えを確認して次にいく。(実際は1秒以上かかります)

この繰り返しです。

世界史の用語で暗記できないものをカード(もしくは紙)に書きう移して持ち歩く

10回以上やっても覚えられない、いい間違うものは、別紙に記入して持ち歩きます。

空き時間に暗記します。

私は、A4用紙やルーズリーフを半分にして、メモ用紙にしています。

暗記のコツは、完璧主義を捨てること。

用語を全部覚えないとダメということではありません。

あまり重苦しく考えず、ルーティンをこなす感じでサクッとやること。

大事なのは継続です。

 

世界史の教養を深めるオススメ本

世界史の基礎知識ができあがったら、今度は本を読んでみましょう。

 

ビジネス書と古典の中間あたりを攻めるのが、最初はよいと思います。

人間の行動パターンが学べて、未来に生かせるものを選びます。

・砂糖の世界史(岩波ジュニア新書)

・フランス革命(岩波ジュニア新書)

・銃・病原菌・鉄 (上)(下)

・サピエンス全史(上)(下)

・コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

・市民のための世界史

・世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」

・ローマ人の物語

・よいこの君主論

・世界は四大文明でできている

・最高の戦略教科書 孫子

・チャーチル・ファクター たった一人で歴史と世界を変える力

・教養としての「世界史」の読み方

・教養としての「ローマ史」の読み方

・荒巻の新世界史の見取り図(上)(中)(下)

・その日何があったかがわかる 1日1話5分で身につく歴史の教養365

 

古典編

・君主論

・ガリア戦記

本のレビューについては、下記リンク先ページをご覧ください。

【世界史の読み物】趣味にしたい人におすすめの9冊
このページでは、世界史を趣味にしたい人向けに、おすすめの本を9冊紹介します。 ・学生時代に世界史が好きで趣味として再開したい ・歴史を学んで仕事や生き方に役立てたい ↑こんな人に役立つ読み物を選びました。 世界史を勉強したことがない人や、一...

良い本と出会うコツ

私にとって良い本とは「新しい視点を与えてくれる」「他の分野に応用が効く」などいくつか定義がありますが総じて「何度も再読したい本」です。

私は学生のころから、良い本に出会う確率を高める方法を研究してきました。

結論からいうと、100発100中で良い本には出会えません。

失敗を恐れずに本との出会いの回数(母数)を増やすしかありません。

これは恋人、パートナーの探し方と通じるものがあります。

とはいえ、全くコツがないわけではありません。

私が本選びで意識していること3つを紹介します。

  • 食わず嫌いをせずに様々なテーマの本を読む
  • テーマについて自分がどの程度まで知っているか、ブレストして知識の棚卸しをしておく
  • 古典やベストセラー本から攻める

数をこなすならAmazonの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」もしくは図書館を利用するのがベストです。

地理的に通いやすいなら、Kindleよりも図書館をオススメします。

どの本も電子書籍化しているわけではないし、全ての電子書籍がKindle Unlimitedで読み放題になるわけではありません。

自治体にもよるとは思いますが、新しい本は厳しいとしても、それ以外であれば読みたい本が借りられるでしょう。

家の近くの図書館になくても市内にあれば取り寄せてくれる自治体もあります。

見えないものを見えるようにするのが勉強

最後は抽象化のトレーニングです。

ふだん感じたことを、さっとメモしてください。

 

例:日本に住んでる外国人を多く見かけるな(旅行ではなく)

※定期的にメモを見返してください。

 

アウトプットするには、日常生活で意識的にインプットする

筋トレで鍛えたい部位を意識することが大事なように、「日常生活からインプットするぞ!!!」と意識することが重要です。

アンテナをはっておかないと、本当なら学べることもスルーしてしまいます。

 

次にメモの内容と世界史がつながる話を探します。考えても答えがでないほうが多いです。

私の場合は5分考えてダメなら、次の課題に変えるか、やめます。アイデアが浮かべば儲けものぐらいの気」持ちでやってます。

なぜなら一番の目的は、脳に課題をすりこむことだからです。寝てる間も、脳が答えを検索しますので、焦らずふだん通りの生活をします。

 

日常生活のメモ、自分の知ってる世界史の検索、資料集やスタディサプリで勉強この生活サイクルを回してください。すると、ある日急にアイデアが浮かぶびます。

「外国人が増えてるのって、ローマ史にも同じような話があったな」みたいな感じです。アイデアはすぐ忘れるので、すぐメモしてください。

 

次に該当するローマ史の記述を探します。確認したら、抽象化のスタート。

全く同じことはおきませんので、少し高めの位置から、歴史を読み返してみるのです。木を1本ずつ見るのではなく、鳥が空から森を見るようなイメージ。

 

ローマ帝国は異民族に寛容だったからこそ発展できた。しかし、異民族の数が増えすぎると、その寛容さが失われ、差別と内乱、そして帝国自身の衰退につながった。

ということは、ルールを守る前提ではあるが、寛容に接することが重要なのかな。。みたいな結論をとりあえずだします。

※「現在⇒過去(ローマ)⇒現在」という思考の例をだしましたが、世界史の勉強を続けると、「過去⇒現在」というパターンもできるようになります。

縦(時系列)の視点、横(地理)の視点を広げる

・ローマ帝国だけでなく、同時代の周辺地域から学ぶことはないか?

・ローマ帝国時代の後、もしくは前に、同様の事例はないか?

通史を学んでいれば、ローマ帝国以外の帝国や国々のあたりをつけることもできます。

通史であたりをつけて、専門書を読んで調べるのです。

 

正解はありません。
大事なのは、

見えないものを感じようと努力する
自分なりの仮説を作り、言葉にすることです。

なぜなら、AIが発達した世界に必要な力だからです。

 

まとめ

答えをだすのはAIが得意とする作業。論理的思考力なんて、まさにこれです。

じゃあ、人間はなにをやるべきかですが、「問い」を作ることです。

 

見えないものを感じる力が、「問い」を生む原動力になります。同じ景色が見えてるはずなのに、人それぞれ全く違う世界が見えてる。

この事実を知ったとき、怖いなと思ったと同時にワクワクしました。

今回は、世界史をテーマに教養を深める方法を話しました。アナタの何かしらのご参考になれば嬉しいです。

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