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【創業一族が追放】”ウルトラマンが泣いている”の感想

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空港で何気に購入した本だったのですが、おもしろかったので感想を書きたくなりました。本のタイトルをご覧になれば分かる通り、ウルトラマンシリーズを製作していた円谷プロから創業者一族が追放されるまでの歴史が分かる本です

 

 

ウルトラマンを知ってい人にはおすすめの本

著者の円谷英明氏は「特撮の神様」と言われた円谷英二氏の孫にあたります。ウルトラマンが制作されていたころは英明氏はまだ子どもだったわけですが、彼の視線からいろいろな円谷プロの裏話しが語られています。

初代ウルトラマン、セブン、帰ってきたウルトラマン、エース、タロウ、レオ、80、さらにティガ、ダイナ、ガイア・・・このあたりまでならリアルタイム、再放送、ビデオ、DVDなどで見たことがあります。その後の作品も時間を見て確認はしています。

単純にヒーローものとしてかっこいいなと見ていた子ども時代、ティガはストーリーとかテンポとかそういうことに気にしていたりと、自分の年齢を重ねながらその時にあった見方をしていたなと今思います

その当時の記憶をたどりながら、この本を読んでいくと大人の事情とあわせて理解できるという楽しみ方があります。たしかに今思えばなんでこんな話になったんだろうと思うことは多々あります

・なぜエースは男女で変身するスタイルを途中でやめたのか?(女優さんに相談なし)
・なぜレオはスポ根ものだったのか?
・なぜ80は前半学園ものだったのか?(途中でやめてしまった)

視聴率と製作費に悩む円谷プロとウルトラマン

この本のなかでは円谷プロの台所事情もつぶさに語られており、興味深い本になっています。今ではガンダムとか戦隊ものも同じだとは思いますが、玩具販売ありきの設定にストーリーもなっていますよね。

戦隊ものなんで、昔はロボット一体だったと思いますが、途中から2体が通常化。(記憶が正しければフラッシュマンから2体になった気がする)さらにシリーズが進むにつれて3体にまで・・・あきらかに商売ありき

ただ商売を否定するわけではありませんよ。お金がなければ作品すら作れなくなりますから。ただこの本で学べたことは制作サイドとおもちゃ販売メーカーが主導権争いをしているということですね

素人なので業界のことはよく分かりませんが、制作サイドのほうが力をもっているように思えるのですが必ずしもそうではないことが多いようですね。円谷プロがまさにその例になるのでしょう。

ウルトラマンティガからタイプチェンジ能力が導入されてマルチタイプ、パワータイプ、スカイタイプなど、戦況に応じて変身する設定がありました。私的にはこれはアリでとても楽しませていただきました

これおもちゃ販売サイドからみると、同じ雛型で色を変えるだけで3種類のティガの玩具を販売できたということで、なるほどな~と本を読みながら思いました

悲しいなと思ったのは玩具販売ありきの重圧から制作側が譲歩しなければならない部分が円谷プロの場合は年々大きくなっていったことですね。これも製作費の縛りが大きいようです。デザインが玩具販売の視点から考えざるをえないというのも悲しい事実。

地球防衛軍の機体は○種類はほしいなんてお願いも円谷にあったとかないとか・・・
考えてみると平成ウルトラマンにでている機体ってカクカクしているものが多くて流線形が少ない気がしますね

初代のウルトラマンなんてお金がないからゴジラの着ぐるみを使用(多少分からないように変身させて)したという話しもあります。

レオも製作費がやばくなって全51話中40話で防衛軍のMACが全滅しますからね。それはないだろう~と昔思いましたよ。(MAC全滅と予算の関係が真実なのか定かではないですが噂レベルということで)

さらに視聴率からの重圧にも円谷プロは逃れることができなかったということですね。特に平成ウルトラマンシリーズは過去の作品とは比較にならないほど数字が低いですからスポンサーの重圧が強かったようです

バランスのとるのって大変なんだなとしみじみ思いました。こういう時こそカリスマ的なリーダーが必要と私は思ってしまいますが、著者の円谷英明氏は合議制をとるべきだったと本に書かれてありました。

創業家が追放されたあとの円谷プロとウルトラマン

カリスマ的な円谷英二氏のあとをついだ一族たちの、時には権力争いまで勃発した世界で活動された著者の答えには重みがあります。それぞれがウルトラマンを守ろうとするがゆえに暴走とも思えることが起きていても止める手段が円谷にはなかったということになるのでしょうか。

社内の謀反やお家騒動などもあり、気がついてみたら創業家が円谷から追放されていたというオチです。江戸時代の末期に幕府側と薩長連合軍にそれぞれイギリスとフランスが入りこんできたのにも似ていますね。甘い誘惑には注意しないといけません。そういう意味では徳川慶喜があっさり大政奉還をしたのは正しかったのでしょう。

2013年9月1日熊本県にあったテーマランド「ウルトラマンランド」が閉園されました。こういうニュースを聞いていたので、空港でこの本を見た時に思わず手にとってしまいました。この本はあくまでも円谷英明氏からみたという話しです。

人により見方は違いますしからバランスをとって読まないといけないことは間違いないのですが、ウルトラマンの作品を見ている世代なら楽しめる1冊です!買収によりいまや創業家は蚊帳の外に置かれた状態であり、今後のウルトラマンがどのようになっていくのか見守りたいと思います。

 

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