英文解釈のスキルが身につくと、TOEICの正解率は上がります。英文構造を瞬時に見抜ければ、品詞の知識だけで回答できる問題も少なくありません(特にパート5)
英文解釈の威力が最も発揮されるのはパート6「長文穴埋め問題」、パート7「読解問題」です。
今回はTOEICに向けて英文解釈をどう勉強し、試験に生かせば良いのかを話します。
英文解釈用のテキストはいらない
教材選びの注意点から話します。いきなり「英文解釈」のテキストを買い求める必要はありません。
大学受験では「英文解釈」がひとつのジャンルのように扱われてますが、英文法とわけて考える必要はありません。
英語の本質は「単語」と「文法」です
英文とは、単語をルール(英文法)に従って並べてるだけにすぎません。
1文、1文の集合体が文章です。TOEICに限らず、戦略を練るときにはコアを見抜くことから始めるべきです。
つまり本質はなんなのかを探ることが先ということです。
TOEICのリーディング対策のコアはなにか?
それは単語と文法なのです。
単語や文法の知識が十分ではない、つまりコアになる部分がないのに、英文解釈だけを勉強するのは非効率だし、そもそも「英文解釈」として単独で勉強する必要すらありません。
英文解釈を身につけたいと思う理由は2つあると考えています。
・英語の1文、1文が理解できない
・1文、1文は理解できるけれども、全体で何がいいたいのか理解できない。
あなたはどちらですか?
どちらの悩みだとしても、本質は変わりません。まずは単語と英文法をしっかりマスターすること。
「英文解釈=お手軽なテクニック」ではありません
例えばbutのあとに主張がくる。だから英文全文を読まなくても主張が見える。
そうなることもありますが、過去と現在の対比、否定文のあとに主張をもってくる、などさまざまあります。
これで完璧という方法はありません。1文、1文をていねいに読み解いていかないと、主張が見えてきません。
TOEICは制限時間があるので、回答時間を短縮したい人も多いはずです。
しかし、TOEICで高得点をとってる人ほど、全文を確認してます。飛ばし読みしてる人は少ないのです。
1文1文を理解しながら読んでも、時間があまるくらいに鍛えてるということです。
スポーツ選手、作家、経営者、先輩、誰でもかまいません。
自分が尊敬してる、興味がある人が、アナタだけのためにアドバイスしてくれるとします。
話のポイントだけ聞くなんてことしませんよね?
それは文章も同じです。まずは1文、1文をていねいに読み込んでいく。
わたしにとってスティーブ・ジョブズのスピーチはまさにそれでした。飛ばし読みなんてとんでもありません。
1文、1文、構造を把握しながら、カラダに染み込ませるように読んでいきました。
TOEICは制限時間のある試験だから、英語を読み飛ばしで訓練するのではなく、全文を読んでも時間があまるくらいのトレーニングを重ねておく。
もちろん、妥協せざるをえないこともあるでしょうが、はじめから読み飛ばしありきで勉強するのはオススメしません。
前置きが長くなりましたが、英文解釈について、とても重要なことなので話しました。
では、ここからは英文構造を理解するための考え方について解説します。
英文解釈の基礎は「5文型」
英文構造を把握するうえで、一番使う文法は5文型です。
1文が長いと、どこまでが主語なのか? この言葉はどこを修飾してるのか?
と構造をチェックするだけでも一苦労です。
スラッシュ「/」をいれて前から読んでいく方法もありますが、一文が長いと意味がよくとれないこともあります。
そこで利用するのは、中学では英語が一番の得意教科だったのに、5文型のせいで高校では英語が一番の苦手教科になった。。。という人も多いです。
過去の記憶はおいといて、ゼロベースで取り組んでみましょう。大人になって、ためしに勉強したら、案外簡単だった♪ということもありえます。
思い込みという心のブレーキは、未来の可能性をせばめます。ゼロベースでいきましょう!
文法用語をすべて丸暗記する必要はありません。しかし、必要最低限は文法書を読んだり、知識を落とし込むうえで必要になります。
言葉にできる知識は武器になりますが、できないと記憶に残りません。
まずは、ここで紹介する用語に、少しずつ慣れていきましょう。
主語=S
動詞=V
補語=C
目的語=O
5文型の基本は、S、V、O、Cで構成されてます。
主語(S)
「主語」とは「~は」「~が」で表現される部分です。
「わたしはケンです。」という文なら、主語は「わたし」です。
動詞(V)
「~です」という”be動詞”
「好き」「走る」「食べる」などの”一般動詞”
の2種類あります。
「私はケンです」なら「です(be動詞)」
「ケンはクミが好きです」なら「好きです(like)」が動詞です。
目的語(O)
「~を」の部分にあたるのが目的語です。
「クミは髪型をかえた」なら「髪型」が目的語です。
【注意点】日本語では「~を」にあたる部分を「~が」で表現することがあります。
”「~が」=主語”を機械的に判断しないように注意しましょう。
「ケンはクミが好きです」なら「クミ」が目的語になります。
「~が」を主語か目的語で判別できないときは、動作の対象が誰なのかを考えるとよいです。
つまり「好き」の対象はだれなのか?を考えるのです。
「好き」をハートマークと考えて、誰にハートが飛んでいくのかを考えます。
「ケンはクミが好きです」ならハートマークはクミに向かって飛んでますよね。
なので対象者であるクミを目的語とします。
ちなみに、ハートマークを飛ばしてる人(動作主)は「ケン」ですね。
動作主のことを「主語」と定義しますので、区別できるようにしておきましょう。
補語(C)
主語、動詞、目的語のイメージを作ってから補語を勉強したほうが覚えやすいです。
なので、説明のさいごにもってきました。
ざっくりいえば「=」関係で結ばれるものです。
・「彼はケンです」なら「彼=ケン」で結ばれますよね。
「~は」は主語と定義してますので、「彼」が主語になります。
なので残りの「ケン」が補語となります。
英文解釈の勉強をすすめると、これらの説明だけでは分からないものがでてきます。
そのなかでも補語が一番分かりにくいと思います。イコール関係で結べないようなものでも、補語になるからです。
しかし、スタート時点では「補語はイコールの関係」と覚えていくのが一番使いやすいです。
これでS、V、C、Oの定義は完了です。
意外に簡単♪と思ってもらえれば幸いです。
あとは文型の確認です。
文型の確認
第1文型:S+V
第2文型:S+V+C(S=C)
第3文型:S+V+O
第4文型:S+V+O+O
第5文型:S+V+O+C
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ここは丸暗記しなくてもよいです。
英文解釈をするたびに、確認がとれる状態にしておけばok。